郊外の田園風景が広がる、南側に向けて開けた敷地条件での計画です。
お若いお施主さんのご要望である、開放的でありながらプライバシーや
セキュリティ性を考慮した住宅を構成するために、1階のパブリックゾーンは、
一室空間とした2つの中庭を設けたコンパクトな空間としました。
リビングとダイニングは、無柱、壁空間として、ふたつの庭を眺めながら、
多目的の和室と繋がったりと、開放的な空間構成になっています。
梁天井や箱天井によって、それぞれの空間に変化を持たせ、
単調化しない、飽きのこないデザインとしています。
昼間は大きな窓、中庭からの自然の光をふんだんに浴びて、夜はしっくりとした
間接照明の光でまったりと、時間の変化を感じることのできる演出をしています。
2階は、外観の三角屋根のモチーフがそのまま内部に表現されており、
1階とは違った空間になっています。
外観は、周辺の景観をリードするように、昼と夜のシーンに変化を持たせたり、
アプローチを長くして前庭や隣地の庭を眺めながら、玄関に至る動線、
低く抑えられた屋根など、趣の感じられる設えとしました。
お若いご家族さんが、希望に満ち溢れ、未来に向かって、住宅と一緒に
ゆっくりと成長していく過程を楽しみに、これからも見守っていきたいと思います。