大手ゼネコン時代で感じた窮屈さと、募っていった家づくりへの想い。
私はもともと大手のゼネコンで、ホテルやマンションなどの大型建築物の設計を行っていました。
大きな建築物ではたくさんの人が関わりますので、しっかり役割分担が決まっています。設計が終われば、次の部署へ引き継いで、その案件の自分の役割は終わりです。
自分がやりとりする相手も一担当者の方ですので、当然オーナーご自身ではありません。担当していた案件がその後どのように進んでいったか、知らないままのことも当たり前でした。
大きいプロジェクトでとてもやりがいのある仕事ではありましたが、どうしてもご依頼者との距離感が遠く、そのことに不満を感じることが多々ありました。
無難で商業的な、いわば儲かるものを作りましょうという仕事でしたので、自分の中で本当にこだわった面白みのあるデザインができない、という窮屈さも感じていました。
もちろん大きな仕事が多く、お給料もしっかりいただいていたので生活することに困ったことはありませんでした。しかし、心からやりたいと思うことはやれない日々だったのです。
驚きと感動の連続だった、家づくりの世界。
とても贅沢な悩みだとは思いますが、
やはり自分は設計をもっと突き詰めたい。
お施主様の想いをたっぷり詰め込んだ建物を一緒に作っていきたい。
その気持ちが強くなり、名古屋の設計事務所に弟子入りし、一からやり直しました。
それまでは住宅の実績は1件しかなく、さらに住宅とはいっても200坪の大豪邸の経験しかありませんでした。
大きな建築物しか経験してこなかった自分にとって、初めての一戸建ては、トイレのサイズ感やテーブルの高さを意識した設計まで、とにかく全てが新鮮でした。
細かい部分までシビアで繊細で、大変だと感じることもありましたが、お客さまと直接顔を合わせて話ができること、一緒に創り上げていくことのできる設計が、こんなに楽しいものかと心が震えました。
とにかく一戸建ての設計は自分にとって全てが勉強でした。
お施主様と近い距離で対話できることでもちろんプレッシャーも大きかったですし、お叱りを受けたこともありました。
それでも、このお施主様の想いを詰め込んだ最高の家を作りたい、その想いだけでやってきたら、いつのまにかここまできていました。
すべては、最高の家をつくるために。
おかげさまで今ではご紹介のご依頼も多く、たくさんの方が私の設計した家にお住まいいただいていることを、心から嬉しく思います。
今まで設計した家たちはそれぞれ最高のこだわりを詰め込んでおり、すべてを鮮明に記憶しています。家づくりの主役はもちろんお施主様ですが、今までの全ての家たちが、私自身の宝物でもあるからです。
これから家づくりを考えている皆様には、たくさんの選択肢があると思います。
同時にたくさんの不安も抱えていらっしゃるかもしれません。
ぜひ当アトリエを含め、いろんなハウスメーカー様や建築事務所様に話を聞いてみてください。ご自身やご家族のこだわり、譲れないポイントを知ってください。
私は、いろいろなご家族がいるように、家にもさまざまな形があるべきだと思っています。
それをいかに設計で表現できるか。今でも、毎日が試行錯誤です。
最後に、1つだけ。
「一級建築士事務所って敷居が高いんじゃ・・」と思っていらっしゃる方があまりに多いことを、お施主様からのお話で知り驚きました。
わたし自身の言葉ではなんの説得力もないかもしれませんが、少なくとも当アトリエは全くそんなことはありません。「対等に」「フレンドリーに」をモットーに、全てのお施主様が自分にとって大切な人だと考えています。
ですので、家づくりへの強いこだわりがあるのであれば、ぜひ一度、そしてお気軽に、私にお聞かせください。
多くの人にとって、家づくりは一生に一度の一大イベントです。
そんな一大イベントを人生最高のイベントにできるよう、全力でお手伝いさせていただきます。