ケーススタディ1「公園前のガレージハウス」

コラム

多くの建築会社やハウスメーカーがある中で、設計事務所を選ぶ理由には、どのようなものがあるでしょうか。第一に考え付くのは、お施主様の希望に沿った設計ができること、だと思います。設計事務所では、仕様や仕上げ、工法が決まっているわけではないので、お客様のライフスタイルにあわせた自由な設計を、お施主様のご希望に合わせて行うことができます。また特殊な土地、例えば変形敷地や狭小住宅などにも対応した住宅の設計ができることも考えられますね。

 

 

ケーススタディを通して、お施主様の想いをどうくみ取って、構造やプラン、デザインに活かしていったのか、さまざまなアイデアや知識を、どう問題解決や意思決定に生かしていったのか、村瀬さんの提案をじっくり見ていきましょう。

今回取り上げるのは、「公園前のガレージハウス」です。

 

 

お施主様のご要望 に対する 村瀬さんの提案とは?

1.国籍が分らないような(メキシコ、アメリカ、日本など)外観デザインにしたい

さまざまな地域や時代のイメージを融合させ、一部を木製ルーバーで変化を持たせています。

200312月に竣工した「公園前のガレージハウス」は今から20年以上前に建てられたものです。一見ショーケースのような透明感のある外観は、1950年代アメリカのドライブインやカーディーラーの建築写真も参考にしたそうです。古さを感じさせない、時代を超越したオリジナリティを感じさせます。

 

ガレージ前面の、高さ3 . 5m、幅3mの大きな一枚扉は、ガラスの透き通ったブルーが住まいのテーマカラーとなって、洗練されたさわやかな印象を与えています。

 

 

 

2.愛車である1951年代のシボレーを四六時中眺めたい

 

間取りのイメージ

公園側(道路側)に、2階建てガレージを配置。ダイニングからもリビングからも愛車を眺められます。ガラス張りの構成は、一般的な住宅にはなかなかない、「設計事務所(建築士)との家づくり」ならではのものですね。

 

テーブルをテラスに移動すれば、友人や仲間を呼んでのアウトドアパーティーもできます。

 

公園前のガレージハウスのイメージ

ガレージのある棟の2階は母屋とバルコニーでつながれたホビールーム。床は一部F R Pグレーチング(ガラス繊維強化プラスチックを格子状にした建材のこと)になっていて、階下の愛車も眺められます。建材の使い方がユニークで、F R Pグレーチングは十分な風と光が入り、外観の透明感を損なわない軽やかさをまとっています。

 

 

 

3.東側の母屋と壁を揃えて、ブリッジで繋げたい

道路側にガレージ、母屋を北に寄せてブリッジでつないでいます。母屋に居間や寝室の各部屋を配置。2階も南面はガラス張りですが、木製のルーバーが設けられているため、プライバシーが守られているような感覚に。

公園側に開けているので、ブリッジや中庭も公園の一部分として楽しめそうです。屋内空間と外部空間との広がりやつながりを感じることができますね。

 

 

 

4.全面(南面)にある市民公園の緑を部屋に取り入れながら、開放感のある空間がほしい

南北方向を開口部分、東西方向を壁としたので、すべての居室の南面から光・風を多く取り入れることができます。また公園の緑を借景として、部屋内に取り入れています。お施主様の2人のお子さまにとっては、公園と家を巡って遊んでいるようにも感じられますね。

夕方、公園の木々を借景として愛車を眺めながらオープンキッチンで家族や仲間が料理をしながら飲む焼酎は格別でしょう。

 

内部にほとんど壁がないので、12階ともに東西に広がるワンルームとして開放的です。スキップなどで空間にメリハリをつけながら、すべてが一室空間でつながっています。
一方、建具や可動の収納家具で間仕切ることで各部屋の役割を果たす空間構成となっています。スキップフロアがあることで違和感なく空間に彩りと変化を加えているのが素敵ですね。

 

 

 

5.子供が2人いるため片付けやすい場所(L・D・各部屋)に大きな収納がほしい

見せる収納と隠す収納を区別
リビング・ダイニング・仲良しルーム・ホビールーム部分ではインテリアの一部として空間に収納を組み込んでいます。

 

大容量のオープンな本棚が使い勝手が良い
階段踊り場の書斎コーナー

 

 

一部を可動式にして使い回し自由自在
リビング・ダイニング部分の収納は、TV・雑貨棚・食器棚・炊飯器等の電気機器などを可動式に。キッチンの作業カウンターの下はスライド収納。背面カウンターの下はひとつひとつ引き出して使える6つのワゴンです。自由に動かせて使い回しができ、空間をスッキリ保てる工夫をしています。

散らかりがちな場所にはしっかりと収納があり、しかも状況に応じて動かせる仕様というのが、とてもうれしいですね。

 

 

扉を閉めるとホームシアターに
リビング部分の収納は、AC・下足箱・クローゼット一体の収納にし、壁面と同じ白く塗装しています。扉を閉めておけば、ホームシアターのスクリーンとして活用できます。扉にそんな使い方があったとは驚きですね。

 

可動収納を間仕切り壁にも利用可能
なかよしルームの可動収納は、長さ1.8m×高さ2.4m×奥行1mとして、クローゼットや本棚として使用できたり、間仕切り壁としての機能も合わせ持っています。

こちらは一部屋として使っていますが、お子さまの成長に合わせて真ん中に収納を置いて間仕切りし、二部屋にすることができるのが便利ですね。

 

 

以上、今回のケーススタディは「公園前のガレージハウス」でした。

 


 

今回のケーススタディはいかがでしたか?
ひとつの要望から、さまざまな工夫やアイデアが見られましたね。こうしたい・ああしたい…でも可能なのか?と不安になる前に、一度要望を村瀬さんにぶつけてみるのが良いでしょう。数多くのプロジェクトを通して培った経験から、思いもよらない答えや知恵が導き出されてくるはずです。ぜひ、あなただけの家づくりを心から楽しんでほしいと思います。

上記以外にも村瀬さんに聞いてみたいこと、相談してみたいことなどございましたら、お気軽にこちらから、問い合わせてみてくださいね。
よくいただくご質問」にもQ&Aが掲載されているので、参考にしてください。