ユトレヒトの建築を観てきました。
運河沿いは車道と一層程度の高低差があり、その段差を
上手く活用して立体的な遊歩道や運河に面した地下空間に
なっており、立体的な空間構成がなかなか面白いです。
クールハウスの設計したユトレヒト大学の図書館や学生センターを
観て、念願だったリートフェルトの設計したシュレーダー邸、
集合住宅を見学してきました。
学生時代に、レッドアンドブルーの椅子やこの建物の写真を観て
衝撃を受け、モンドリアンの一連の作品と共に、デザインのお手本に
していました。
もっと大きなスケールをイメージしていましたが、外観、内部空間、
可動の間仕切り、開閉する窓など、ロッテルダムで体感した
ソンネフエルト邸の連続窓とダイナミックな一室空間の構成と
対比して、とても日本的であり親密感を受け魅力的な建築です。
晩年アトリエとして使用した部屋や、可動で変化する部屋の設え方や
ディテールを観ているとあっと言う間に、1時間の見学も終わって
しまいました。
本物のレッドアンドブルーやジグザグの椅子、一連の造作家具なども
じっくりと観ることができ、感無量でした。
学生時代に「将来、ご褒美としてレッドアンドブルーを買えるように
設計を頑張る!」と友達と何かにつけて言っていたことを思い出し
ました。(まだまだ、買える器ではありませんが…)
近くにある集合住宅も見学することができ、かれこれ100年近く
経っている建築物がとても綺麗に程度よく保存されていたり、
尊重、誇りを持って使われていたりと、時間軸を感じさせない
空間の質に、魅了されました。
オフィスにあったメッセージノートに、設計をする立場として、
「建築に対する姿勢」を今後の誓いとして、書かさせていただきました。
約30年の時を超えて、とても濃い幸せな時間を過ごすことができ、
たくさんのパワーをいただいてきました!